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メジャーレーベルはCD時代の終焉に何ができるのか? 三社三様のヴィジョンを問う

2019年7月3日に連続講義としてスタートした「New School of Music | 新しい音楽の学校」。その一環として、音楽と仕事の明日を考える1Dayカンファレンス「NSOM_HR」が2019年11月30日(土)にSHIBUYA QWSで開催された。本レポートでは、ソニー・ミュージックエンターテインメント(以下、SME)エイベックス(以下、avex)、ユニバーサル ミュージック(以下、UM)という大手レコード会社3社を交えて、「アーティスト」「ニュービジネス」「アジア」の3つのテーマから、コンテンツビジネスの未来図を考えた分科会の模様をお届けする。
3つの分科会では、それぞれメジャーレーベル3社より1名ずつ登壇。最初に各社のプレゼンテーション、続いてパネルディスカッションが行われたあと、客席との質疑応答・名刺交換タイムが設けられた。ここでは各テーマごとに、プレゼンとディスカッションの内容を振り返っていく。

1:アーティスト|
アーティスト優位時代のレーベルの役割

SME:白井嘉一郎
株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ 第2レーベルグループ チーフ・ゼネラルマネージャー
avex:油井 誠志
エイベックス・エンタテインメント株式会社 レーベル事業本部SPUマネージャー兼ゼネラルプロデューサー
UM:⼤井 智博
EMI Recordsプロダクトマネジメント本部 本部⻑
進行|岡田一男+矢代真也

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左からSME白井、avex油井、UM大井

「メジャーには数字に負けない人がいる」

一つ目のテーマは「アーティスト」。分科会の前に行われたセッションでtofubeatsが語っていたような「アーティスト・ファーストの時代」に、現場で活躍しているレーベルスタッフは、メジャーならではのポテンシャルをどんなところに見出しているのだろうか。

Ki/oon MusicのA&RとしてASIAN KUNG-FU GENERATIONなどに携わってきた白井は、SME独自の「ワンコンテンツ・マルチユース」について説明。アーティストが作り出した音源をCD・配信するだけでなく、物販やライブのチケット、広告の二次使用などマルチに展開していく360度ビジネスは、「海外でもようやく認知されてきているが、日本では早くから行ってきた」と語る。

さらにメジャーだから実現できた自身の経験談として、高橋徹也が1998年に発表したアルバム『夜に生きるもの』を紹介。菊地成孔や青木達之(東京スカパラダイスオーケストラ)など第一線級のミュージシャン/スタッフを総動員した同作は、数千万円もの予算が費やされたが当時のセールスは3,000枚程度。しかし今もコアな支持を集める隠れた名作だ。「メジャーには数字に負けない人がいる。失敗しても次があるのはいいところ。成長するためにも、世に問う勇気が大切」と白井は語る。

avexの油井は、大塚 愛などのA&R業務で知られ、現在は新規コンテンツのプロデュースも担当。そんな彼は、サブスクが次なるメインステージになった時代は、ゲーム、アニメ、教育など音にまつわる全てのコンテンツをビジネスにしていくことが大事で、自分の意識もA&R(アーティスト&レパートリー)からC&R(コンテンツ&レパートリー)に拡張してきたと語る。また、かつてのユーロビート・ブームから近年のK-POP、EDMなど、数多のムーブメントを牽引してきたブランド、長年の蓄積が生み出したアーティスト・プロデュースやグローバル・ネットワークをレーベルの強みとしてアピールした。

レコード店勤務を経て、UMで「着うた®」やサブスクリプション前夜のデジタルマーケティングに携わってきた大井は、レーベルにとって大切なのは熱量であり、自身もふくめた“オタク”級の音楽好きが働いていることが、メジャーの強みではないかと説明。また、BTSやBLACKPINKなど自社アーティストの活躍を目の当たりにしながら、日本と世界の距離を近づけていくことに可能性を感じると語った。

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「答えのない時代に信じられるのは、人の想い」

NSOMボードメンバー/進行役の岡田も、かつてはavexでアーティストのプロモーションやブランディングを担当してきた。その経験も踏まえて、「今も昔も『いいアーティストを送り出す』という本質は変わらないが、チャンネルが増加し、ゲームのルールが変わってきている過渡期においては、協業したい人の形も変わってきているのではないか?」と問いかける。

それに対して大井は、「今は制作部門やプロモーション部門だけで独立して何かできるかというと難しくなってきていて、業界で働く人々それぞれに“A&Rマインド”が必要になっている。それぞれの立場からユーザー動向を分析し、どうやってアーティストと時代をマッチさせるかが大事」と答えた。

油井はこの10年間の変化について、「自身でマーケティングについても考えるマルチなアーティストが増えたが、これは作品を創る上で一長一短だと思う」と指摘すると、これには岡田も同意し、自身の体験談も踏まえつつ「SNSのエゴサーチなどによって、アーティスト自身で反響を調べることができるようになった。そこからレーベルや事務所の言うことに不信感を抱いたり、ファンの求めるものに迎合しすぎるなど、ネガティブな部分もあった」と語った。

さらに進行役の矢代から、「ユーザーの変化についてどう思うか?」と振られると、大井は「昔だったらテレビの音楽番組に出すだけでヒットを生み出せたが、今はそれだけでは通用しない。データを分析したり、A&Rの熱量が問われている。答えのない時代に何が信じられるかといえば、人の想いだと思う」と回答。

また、どのような人材が求められているかという質問に、白井は「(高橋徹也のプレゼンと)反対のことを言うようだが、アーティストに数字できちんと説明できることも大事」、油井は「ヒットの方程式が崩壊したなかで、ゼロベースで自分の仮説を信じて状況を改善していくこと」、大井は「デジタルデータとどう対峙するか。情報が発信しやすくなったぶん埋もれやすくなった。そのなかで何ができるか」とそれぞれ語っていた。

2:ニュービジネス|
「進化するテクノロジーと来るべきビジネスモデル」

SME:増⽥雅⼦
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント 事業戦略グループ事業戦略チーム チーフプロデューサー
avex:加藤信介
エイベックス株式会社 新事業推進本部 グループ執⾏役員本部⻑
UM:姉帯恒
Universal Music Creative 本部⻑
進⾏|若林恵+ジェイ・コウガミ

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左からavex加藤、UM姉帯、SME増田

「アーティストとクライアントに還元する」

2つ目のテーマは「ニュービジネス」。音楽などコンテンツを楽しむプラットフォームの多様化が進む時代における、レーベル主導の新しいビジネス形態について議論が交わされた。

avexの新事業推進本部 グループ執行役員である加藤は、「テクノロジーや外部環境の変化はユーザーにとって便利だし、作り手としてもチャンス。ただ、乗りこなせれば超楽しいが、逆に乗りこなせなければ淘汰されるリスクもある時代だといえる。既存事業のアップデートと新規事業の両輪で攻めていくことを大事にしている」と語る。

新規事業の創出については、自社の既存事業=アセットを使ったものがまずはプライオリティが高いが、一定のロジックを持って飛び地への挑戦も行っているとポートフォリオを説明。その事例として、ネットクリエイター(YouTuber、ライバーなど)領域のタレント事業へのM&A投資、グローバルで音楽系スタートアップとオープンイノベーションを推進する「Future of Music」、体験ニーズの向上を受けて参入するOTA(Online travel agency)事業「itoma」、テクノロジー領域の新規事業創出を担う「エイベックス・テクノロジーズ」による、VRコンテンツ開発を行うエクシヴィ社とのジョイントベンチャーやブロックチェーン関連事業など意欲的な取り組みが目白押し。「目先の利益も大事だが、全社で5カ年計画を掲げることによって、会社としてのゴールを全社共有して、中長期的に新規事業創出に注力できる環境醸成も大事」と力強く語った。

ITベンチャーでキャリアを積んだあと、1年半ほど前にユニバーサルに入社し、10年ぶりに音楽業界へと戻ってきたという姉帯は、近年楽曲以外の部分でいかに収益をあげるかがキーワードになっていると説明。ここ1、2年は(音楽以外の面で)複合的にアーティストをサポートする形を模索しており、「これまでレコード会社が宣伝販促費を払うことが慣例となっていたが、逆にその予算を預けていただいてアーティストとクライアントに還元することを試みている」と語る。

その事例として、BTSとSHIBUYA109のタイアップによるポップアップストア「HOUSE OF BTS」、ローリング・ストーンズの企画展「Exhibitionism」、クイーンやPerfumeのポップアップカフェを紹介。さらに、かつては広告代理店などを介して行ってきた企業とのコラボレーション事業も、現在は自社内で直接行っているという(Mrs. GREEN APPLE×エアアジア、KEYTALK×クロネコヤマト、ローリング・ストーンズ×読売ジャイアンツなど)。

ソニーミュージックグループで5年ほど前に行われた新規事業社内公募がきっかけで、アニメ・ゲーム事業が大成功を収めた。それを受けて、エデュケーション事業部が2015年2月に発足。そこでは「KIDSTONE(キッズトーン)」と「SONIC ACADEMY」の2部門が大きな柱になっている。増田は邦楽アーテイストのA&Rを担当していた頃からエデュケーション事業を行っており、現在は事業戦略グループのチーフプロデューサーとして「KIDSTONE」に携わっている。

KIDSTONEはその名の通り、キッズを対象にした総合エンターテインメントサービス。音を軸にしたプロダクト/イベント制作のほか、体を動かすこと(Physical)とデジタル(Digital)を掛け合わせた「Phygital」プロジェクトを展開。なわとびジャンパー、音の出る靴といった玩具の制作や、プログラミングのノウハウを学べるワークショップ、ミュージカル教育などデジタル/アナログを問わずサービスを展開し、小学校の授業にも組み込まれている。もう一つの「SONIC ACADEMY」は、サウンドクリエイターを志す人に向けた養成スクールをデジタルに展開。「エデュケーション事業はなかなか利益にならないが、地方創生を推進する行政や企業とのコラボレーションを提案している」と増田は語る。

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「そもそものアセットがないと、新規事業に参入しても打つ手がない」

ここからは、NSOMボードメンバーの若林恵とジェイ・コウガミの進行で議論。ビジネスモデルの過渡期で格闘している3人は、どうやってマインドを変化させてきたのか。「以前は風土醸成もふくめて、アイデアソン、オープンイノベーションなどの手段にフォーカスを当てていた。しかし、そこから明確に新しい事業創出の責任を負う部署を作る必要性を感じて新事業推進本部を組成。自部門にいる人材の強みを見定めながら、段階的に事業創出のポートフォリオを拡大している。事業創出のポイントとしては、テクノロジーファーストにならないよう戒めている。現在のスタンスはコンテンツファースト、コンテンツ側からの視点を常に持つことが大切」と加藤は語る。

他業種のスタートアップを経て音楽業界に戻った姉帯は、「かつて音楽業界は閉鎖性が高かったが、そうも言っていられない時代になった。集客力をもつ一部のビッグアーティストは今もビジネスとして安定しているが、若いアーティストへの還元のスキームをつくっていくこともセットで展開していく必要がある」と語る。一方で加藤は、「以前は新ポートフォリオ(プラットフォームや映画の製作など)にリソースを寄せていたが、そうすると自社の社員が「過去のアセットがオワコン」のような意識になりがちで、自社アーティスト・コンテンツのポートフォリオが弱くなっていることに気づいた。そもそものアセットがないと、新規事業に参入するにしても打つ手がない」と反省点を述べた。

続けて増田が、「今は若いアーティストが手段を選べる時代。そこでレーベル側は、アーティストとリスナーの接点のバリエーションがどれだけあるかが重要」と語る。ビヨンセやトラヴィス・スコットの例を挙げるまでもなく、海外ではアーティスト本人がコンテンツメーカーとしての発信力をコントロールし、大型フェスからストリーミングサービスまでプラットフォーマーと対等の関係を築きながらの360度ビジネスがデフォルト化しつつある。その状況を踏まえて、レーベルには何ができるのか考えることは、新規事業を生み出すためのヒントが隠されていそうだ。

とはいえ、レーベルだけが頑張っても構造改革を実現させるのは難しい。増田は「韓国は国がサポートしながら自国のカルチャーを打ち出している」、姉帯は「メーカー横断という意味で、レコチョクはいい形」と指摘したように、日本にも海外のようなエコシステムを創出するためには、国や行政との連携や、会社間の“共闘”も必要になってくるだろう。

業界内の意識変革が進んでいけば、加藤が「スタートアップが何かを変えていくというタームから、今はレーベル、メディア、メーカーをふくめた大企業がイノベーションをどう起こしていくかが期待できるタイミングになった。これからは大企業からおもしろいものが生まれる可能性がある」と分析しているように、メジャー企業がゲームチェンジャーになる可能性は十分にある。そのためには、若林が「アメリカではNetflixが音楽コンテンツを絶えず制作し、ラジオはWebに移行したことが業界のドライバーになっている。しかし日本では現状、音楽メディアがないに等しい。メーカーサイドからもハッパをかけてほしい」と語っていたように、音楽をとりまく言論のアップデートも必要になってくるだろう。

3:アジア|
勃興する巨⼤マーケットで⽇本企業は何ができるのか?

SME:村⽥知樹
株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント 海外事業推進グループ海外事業戦略チーム 部⻑
avex:佐々⽊史朗
Avex Asia Pte. Ltd. ゼネラルプロデューサー 兼 Avex China Inc. 経営企画室
UM:川﨑たみ⼦
ユニバーサル インターナショナル マーケティング&プランニング部
進⾏|柳樂光隆+⽯神俊⼤

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左からUM川崎、SME村田、avex佐々木

「リスナーの聴き方もボーダーレスに」

3つ目のテーマは「アジア」。世界第2位とされる日本の音楽市場は、アメリカ・イギリスなど海外のマーケットから長らく重要視されてきたものの、近年はアジア市場の活性化に置いてけぼりとなっていて、アーティストがアジアツアーを組んでも日本だけ飛ばされるなど辛い状況が続いている。その危機を日本のレーベルはどのように捉え、どうやって立ち向かおうと考えているのか?

UMの洋楽部門でマーケティングとプランニングを担当している川崎は、ここ10年で日本でヒットする洋楽の傾向が変わってきたと指摘。「かつては欧米への憧れが強かったので『全米・全英1位』といったフレーズでCDが売れていたが、最近は国内コンテンツの充実やK-POPの到来などもあり、洋楽をわざわざ聴くリスナーが減っている」と語る。「かつての日本は、アジアのなかで群を抜いて重要なマーケットでだったが、最近は観光目的での来日は増えているのに、プロモーション目的での来日が減っています」と切ない話も披露された。たしかにカニエ・ウェストも、毎年のように日本観光中の写真がアップされているが、彼が日本でインタビューを受けたりライブをしたという話は聞かれない。

「フィリピンはSNSやSpotifyの利用者が多い。PCよりスマホを使うので、SNSコネクトが一般的になっています。LANYというLAのシンセポップ・バンドがいるんですけど、自国のアメリカと同率1位で売り上げがいいのがフィリピン。フィリピンの人口は日本とほぼ同じなんですけど、日本での人気はそうでもない。こういったことが起き続けると、日本のプライオリティが下がってしまいます」と厳しい事情も明かされた。それとは対照的に、「中国は海賊盤がようやく取り締まられるようになり、今はサブスクが普及しています。韓国でもBTSのように洋楽のアーティストと積極的にコラボしてるのもあって、リスナーの聴き方もボーダーレスになってきた」と、アジア全体の状況はポジティブに変わりつつある。

一方で、シンガポールへの駐在経験をもつ村⽥は、ソニーミュージックグループが運営するコンサートホール「Zepp」のアジア展開(台湾・新北、マレーシア・クアラルンプールに開設予定)や、アニプレックスが製作する『鬼滅の刃』といったアニメ作品、積極的にアジアへと進出する乃木坂46といったアイドルなど、アジア各国でヒットしているソニーミュージックグループのインフラやコンテンツ/IPの例を紹介。かたや佐々木は、K-POPに続くavexのアジア事業としてC-POP(中華系ポップ)を紹介。さらに、日本の伝統花火と3Dサウンドやライティング・レーザといった最新技術を結びつけた「STAR ISLAND」をサウジアラビアの建国記念日である9月23日に開催したのを皮切りに、中東のマーケットも開拓しているという。

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「アジアは以前よりもマネタイズしやすい環境」

ここからはNSOMボードメンバーの柳樂光隆と⽯神俊⼤の進行でトーク。まず、この10年における環境の変化について石神が尋ねると、村田は「『恋愛サーキュレーション』という曲が抖音(中国版TikTok)やbilibiliを通じて中国で有名になったり、昔とは異なる経路で海外ヒットが生まれている。それもあって、最近はアーティスト側から『海外展開をどれくらいサポートできるのか』というリクエストが多い」と回答。たしかに最近は、佐々木が「お金を払ってコンテンツを楽しむ人が増えてきているし、ローカルなコンテンツがかっこよくなってきていて、アジアは以前よりもマネタイズしやすい環境になってきている」と語るような背景もあり、日本のアーティストからもアジア市場を意識する声がよく聞かれる。

では、アジア全体に対する日本の強みとはなんだろうか。柳樂がそう質問すると、佐々木は「たとえばマスタリング・ミックスなどの仕事の丁寧さ」と回答。しかしその後、「90年代のアーティストだと一定の知名度があるんですけど、最近のアジアの若手にはアニメのタイアップをとっている曲やアーティストのほうが人気だったりします。世代的に30代~40代の方は日本のアーティストが好きなんですけど、世代が若くなるほどK-POPが好きな人が増えていく。若年層で日本の音楽が好きな人はアニメから入ることが多い」と続けたように、アニソン以外のアーティストに対するニーズとなると現状は厳しいようだ。

タイ出身のK-POPアイドルが世界的に活躍しているように、アジア全体でグローバル化や市場の拡大が進んできた。しかし日本は、確実にその流れから遅れをとっている。そんな状況で、今はどんな人材が求められているのか?

「英語が話せるのは必要不可欠。あとは広い視野とマーケティングのスキル。ユニバーサルの香港で勤めていた人が社内にいるけど、その人と話すと学ぶことが多い。日本で採用されなくても、海外勤務でうまくいくケースもあるかもしれない」(川崎)

「従来のレーベルの概念は捨てたほうがいい。あと海外で働くと、失敗というか課題だらけ。謝るのが仕事みたいになっているので、そこが苦にならない人がいいと思う。海外では金に物を言わせる企業が多いけど、コンテンツ、IPを愛してくれて、同じ目線で汗をかいてくれる人と仕事をしていこう、という気持ちが必要」(村田)

「異業種の人も大歓迎。かつてのエンタメ会社の手法では通用しないので、違うマインドを持った人がほしい。あとはローカル・ルールがわかる人。現地語でタンカが切れる人を募集したい」(佐々木)

写真:HAYATO TAKAHASHI
文:小熊俊哉