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コンサル、金融、業界団体がリサーチした「音楽エコシステム」のいま(NSOM19_memo#02)

音楽とそれを支えるエコシステムは、いかにして成立するのか? 2019年7月31日に開かれた「新しい音楽の学校」第3回講義では、『All Digital Music』編集長のジェイ・コウガミが、変化に直面する「音楽エコシステム」の状況について語った。

講義のなかでも触れられた、音楽と都市や産業を巡る新しい局面を把握するために読むべき、昨今のリサーチやケーススタディーをご紹介する。

1:音楽を「再結成」するために

シティーバンクグループの調査機関が発表した、「バンドを再結成する」と題されたリサーチペーパー。業界の産業構造から、ロイヤリティーの配分など、ビジネスとしてみた音楽産業の様相が明らかにしながら、その再編への提案を模索する。ファンクラブのプラットフォーム「GigRev」とブロックチェーン・ストリーミングサービス「Choon」の創業者インタビューも掲載。

・「Putting The band Back Together」(2018)
https://www.citivelocity.com/citigps/music-industry/

2:音楽は経済効果、トレンド、雇用を生む

ジャズの聖地とも呼ばれる都市、ニューヨークに音楽がもたらしている経済効果に関して、ボストン コンサルティング グループが分析したレポート。スタジオやライブハウスなどの直接的な影響に加えて、ライブの時に使われる交通機関や、アーティストの弁護士事務所での雇用についても、リサーチされている。

・「Music in New York City」(2017)
https://www1.nyc.gov/site/mome/news/030817-Music-Report.page

3:音楽は社会と文化をつくる

カナダ・バンクーバーの音楽エコシステムをカルチャーコンサル集団、Sound Diplomacyがリサーチしたレポート。雇用などの経済的効果に加えて、ライブハウスや、スタジオ、レコード屋、音楽学校などバンクーバーという都市がもつアセットがもつ社会的な役割が分析されている。[昨年末に「新しい音楽の学校」に来日したSound Diplomacyのプロジェクトリーダーへのインタビューはこちら

・「Vancouver Music Ecosystem Study」(2018)
https://www.sounddiplomacy.com/vancouver

4:レコード会社の新しい役割を見つけるために

IFPI(国際レコード・ビデオ製作者連盟)が行なった、レコード会社が今後の音楽エコシステムで果たすべき役割に関するリサーチ。「アーティストファースト」を掲げながら、デジタル化が進んだ産業のなかでの仕事が可視化されている。レコード会社が果たしたアーティストの成功への貢献に関するケーススタディも。

・「The Role of a Record Company」(2019)
https://powering-the-music-ecosystem.ifpi.org/

5:メディア別にみる、45年の変遷

RIAA(アメリカレコード協会)が発表した、1973年から2018年までの音楽の収益/売上をメディア別に可視化したデータ。レコードからカセット、CD、ダウンロード販売(シングル/アルバム別)、そしてサブスクリプションが、アメリカでいかなる盛衰を遂げてきたかが一目りょう然。

・「U.S. SALES DATABASE」(2019)
https://www.riaa.com/u-s-sales-database/

カバーイメージ:from https://powering-the-music-ecosystem.ifpi.org/
文:矢代真也

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New School of Music | 新しい音楽の学校 は、「21世紀の音楽ビジネス」を学びそれを担うプロを育てていくプロジェクトです。ボードメンバーにジェイ・コウガミ、柳樂光隆、岡田一男、若林恵の4名をむかえ、2019年6月よりスタート。

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